[研究発表] 実行トレース抽象化を目的とした参照関係・アクセス解析によるコアオブジェクト特定
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12 2017
小林研D1の野田さんが、東京都 新宿区で開催された第195回ソフトウェア工学研究発表会にて研究成果を発表しました。
著者:野田訓広・小林隆志(東工大)・渥美紀寿(京大)
題目:実行トレース抽象化を目的とした参照関係・アクセス解析によるコアオブジェクト特定
掲載誌:情報処理学会 研究報告 ソフトウェア工学(SE), 2017-SE-195(2) (pp.1–8)
概要:
オブジェクト指向システムのプログラム理解では,実行履歴を解析し,シーケンス図等でシステムの振る舞いを可視化するアプローチが有効である.しかし,実行履歴には膨大な情報が含まれているため,復元されたシーケンス図は巨大で実用的なものとならない.この問題を解決するため,本稿では,実行トレース抽象化を目的とした,参照関係 ・ アクセス解析によるコアオブジェクト特定手法を提案する.提案手法では,オブジェクトの参照関係およびアクセス頻度の特徴に基づき,各オブジェクトに対して重要度を推定する.重要度の高いオブジェクト (コアオブジェクト) を中心にオブジェクトをグループ化し,システムの振る舞いをグループ間相互作用として可視化する.これにより,システムの重要な振る舞いを含む読解可能なサイズのシーケンス図が生成される.複数のオープンソースソフトウェアに提案手法を適用し,シーケンス図のライフライン数の削減率,および,シーケンス図に含まれる振る舞いの特徴を分析することで,提案手法の有用性を議論する.