[国内会議・受賞] ReactアプリケーションにおけるUIテストケースの共進化分析とロケータ記述の追従支援
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19 2024
小林研M1の池田さんが,9月17日から2日間で慶應義塾大学日吉キャンパスにて開催された情報処理学会 ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2024 (SES2024) にて研究発表を行いました。この研究は池田さんの卒業論文の内容を発展させたものです.
また,本論文は,SES2024の最優秀論文賞と,IEEE Computer Society Japan Chapter SES Young Researcher Awardを受賞しました.
著者:池田 むつき, 小林 隆志(東京工業大学)
題目:ReactアプリケーションにおけるUIテストケースの共進化分析とロケータ記述の追従支援
掲載誌:ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2024(SES2024)論文集 pp. 19-28 [Link], Sept. 17, 2024.
概要:Web アプリケーションにおける UI テストでは,想定する入力行動と期待する出力結果を記述するために,画面上の UI 要素を構造的特徴で指定するロケータ記述が多用される.Web 画面の構造的特徴はアプリケーションの変化に影響を受けやすく,これに追従する UI テストの共進化が開発者にとって大きな負担となっている.この問題を解決するために,破損したロケータ記述を自働または半自動で修復する手法が提案されてきた.しかし,既存手法はランタイム上で実行されるコードのみを対象にしている.このため,開発時の言語とランタイム上で動く言語が異なる現在の開発形態では支援が限定的となる.
本研究では,React を用いる Web アプリケーションの共進化を分析し,どのような UI テスト破損が発生しているかを調査する.調査の結果,ロケータ記述の自動修正支援の必要性が確認できたため,React を用いたアプリケーション実装とロケータが指すべき要素との対応関係の推定手法を提案する.提案手法では,開発言語上での記述とランタイム上での記述および画面上の UI 要素の対応関係を保存し,アプリケーションに対する変更を分析することで,変更前後のアプリケーション中の各要素の対応関係を作成し探索範囲を限定する.実用規模の OSS プロジェクトに対する適用実験によって,ロケータ記述破損がテスト破損の大半の要因であり,提案手法が割合は低いものの破損修復が可能なロケータ記述修正を推薦できることを確認した.