[研究発表] 前処理命令による可変点を考慮した共変更ルール抽出

小林研M2の森さんが、沖縄 那覇市で開催された電子情報通信学会ソフトウェアサイエンス研究会 3 月研究会にて、修士研究にもとづく研究成果を発表しました。

著者:中野真明貴・林 晋平・小林隆志(東工大)・渥美紀寿(京大)
題目:前処理命令による可変点を考慮した共変更ルール抽出
掲載誌:電子情報通信学会 信学技報 SS2016-70 (Vol.116, No.512, pp.61-66)
概要:
プログラムを変更すると複数の依存箇所に変更が伝播するが,大規模なソフトウェア開発では開発者が必要な変更箇所を全て特定することは困難な作業となる.前処理命令を埋め込むことで実行環境の差異の吸収が可能なソフトウェアでは前処理命令が散在するため,必要な変更箇所の特定はより困難となる.本稿では,前処理命令の影響を受ける箇所に対する変更を考慮した共変更ルールの抽出手法を提案する.前処理命令の分岐条件と変更の関係を解析することで,改版履歴中の変更に属性を付与し,ルールを生成する.3つの中規模OSSを用いた評価実験の結果,提案手法によって得られた共変更ルールはリフト値の観点から質が高いことを明らかにした.また,既存手法と比較して推薦精度を表すMRRの最大値が向上することを示した.