[学士論文] ブロック線図モデルにおけるブロックの依存関係に基づいた凝集度メトリクスの提案と評価
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20 2015
小林研B4の蔡さんが学士論文の発表を行いました.
論文題目:ブロック線図モデルにおけるブロックの依存関係に基づいた凝集度メトリクスの提案と評価
論文概要:
近年、組み込みシステムの開発をモデルベース開発で行うことが多くなっている。Simulink はモデルベース開発における重要な成果物であるモデルをブロック線図で設計するツールであり、モデルベース開発では広く用いられている。そのためSimulink モデルの品質は非常に重要なものである。
そこで鈴木らはモデル中の低品質箇所を検出することを目的として、Simulink モデルのモジュールを表すサブシステムの凝集度を測定する手法を2つ提案した。評価実験では直列型低凝集性は精度良く検出できたが、並列型低凝集性は十分な検出精度ではなかった。
本論文では並列型の低凝集サブシステムを検出することを目的とする2 つの測定法を提案する。1 つ目は鈴木らの手法と方針は同じものであり、指標値の算出方法に改良を加えたものものである。2 つ目はプログラムスライシング技術を応用し、出力ポートからのスライス間の重なりに基づく手法である。Simulink モデルではスライシングをしたときにスライスが1 つしか切り出せないことが多いが、そのような場合でも複数スライスを切り出せるよう工夫をした。また、Simulink の特徴であるフィードバックループを高精度で検出する方法を考案し実装を行った。実製品のモデルを用いた評価実験を行ったところ、双方とも従来法より高精度であり、F 値が最大0.215 改善された。特にスライスに基づいた手法はPrecision、Recall ともに向上し最大F 値は0.824 と高精度であった。