[受賞] 2017年度 情報処理学会コンピュータサイエンス領域奨励賞

小林研D2 野田さんの研究発表が、2017年度 情報処理学会コンピュータサイエンス領域奨励賞を受賞しました。
コンピュータサイエンス領域奨励賞は,コンピュータサイエンス領域に所属する研究会および研究会主催シンポジウムにおける研究発表のうちから特に優秀な研究発表を行った若手会員に贈呈されます.2017年度は10研究会から合計17名が受賞しました.

[推薦理由]
オブジェクト指向システムにおけるプログラム理解では,プログラムの実行履歴を解析し,シーケンス図などで可視化することが有効である.しかしながら,実行履歴に含まれる情報をそのまま可視化すると巨大なシーケンス図が生成され,プログラム理解において実用的であるとはいえない.本研究では,プログラム実行中に現れるオブジェクトの参照関係およびアクセス頻度の特徴に基づき,各オブジェクトに重要度を付与する.その上で,重要度の高いオブジェクトを中心としたグループ化を行うことで,シーケンス図の規模の縮小を達成している.設計理解に貢献するクラスのオブジェクトを残しているかどうかという観点での評価実験の結果より,高い実用性を実現した手法であることがわかる.以上より,CS領域研究賞にふさわしい論文である.

<受賞発表>
著者:野田訓広・小林隆志(東工大)・渥美紀寿(京大)
題目:実行トレース抽象化を目的とした参照関係・アクセス解析によるコアオブジェクト特定
掲載誌:情報処理学会 研究報告 ソフトウェア工学(SE), 2017-SE-195(2) (pp.1–8)