[研究発表] 動的データ依存集合の発生確率を用いた欠陥箇所特定支援手法の実装及び評価

2014年度の小林研学部4年の中野瑞樹さんが1年の研究の成果「動的データ依存集合の発生確率を用いた欠陥箇所特定支援手法の実装及び評価」を発表しました

この論文は,大阪大学の石尾先生との共同研究の成果です.

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(論文概要)

デバッグ作業では不具合から感染状態を遡ることで欠陥箇所を特定し修正する必要がある.
欠陥箇所特定を支援する既存手法の多くは,ある状態に至る経緯を考慮しないため,長い感染状態には対応できない.
これに対し,我々は低コストで長い感染状態を検出する手法を提案してきた.
本論文ではこの手法を実プログラムに適用できるよう詳細化し,SIRから取得した欠陥を含む2つのプログラムを用いて評価を行った.
手法の拡張として複数の失敗実行の解析法を提案し,複数回実行するステートメントの扱いを定めた.
また,実行トレースを生成・解析し手法を適用するツールセットを実装した.
評価実験の結果から,データ依存を多段階考慮することで直前のデータ依存のみを用いるよりも性能が向上すること,本手法が既存手法であるTarantula,Ochiai,ER5bと同等以上の性能を持つことを示した.

(Summary slide)
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(出典)

中野瑞樹, 大沼俊輔, 小林隆志, 石尾隆:”動的データ依存集合の発生確率を用いた欠陥箇所特定支援手法の実装及び評価”, 電子情報通信学会, 信学技報 IEICE SS2014-58, Vol. 114, No. 510, pp.19-24, 沖縄, 09 Mar. 2015.