[学士論文] 開発ツール連携のためのProxy ChatBotフレームワーク

小林研B4の高木さんが学士論文の発表を行いました.

論文題目:開発ツール連携のためのProxy ChatBotフレームワーク
論文概要:

生産性と成果物の品質は開発者が常に意識するものであり,高品質なソフトウェアを効率よく開発するために,多くの開発支援ツールが利用されている.しかし,ソフトウェアの大規模化や分散開発が進むほど開発に用いるツールの数は増加し,開発者がツール全てを把握することに時間を割くことは生産性の低下に繋がる.この問題を解決するために,複雑で大規模なツールを用いた開発プロセスの一部を自動化するツールとしてBot が利用されている.ChatOpsは,Bot を用いてチャットツール上で会話主導の開発を行う方法である.

大量の出力を伴うツールはChatOps に導入するには実用的ではない.なぜなら,チャットツールは開発ツールからの情報提示の即時性及び一元化の観点で優れる一方で,多量の情報が提示される場合に,開発者の利用意欲の低下,必要な情報の見逃しの原因となりうるからだ.

本研究では,ChatOps に大量の出力を伴うツールを導入するために,膨大な情報の中から適切なデータを抽出してチャットツールに通知する手法を提案する.提案モデルでは,ChatBot から送られたデータを時系列順に並べたストリームとみなし,ChatBot とツールの間を適切なデータ抽出を行うProxyChatBot で中継する.このモデルを適用することで,膨大な情報に対する処理を宣言的に記述することが可能になる.提案手法を実現するフレームワークを実装し,3 つの抽出手法を実装して提案モデルの有用性を確認した.