[論文発表] 多層システムに対する横断的な機能捜索

佐伯研とNTT研究所,小林准教授の共同研究の成果が情報処理学会論文誌に掲載されることが決定いたしました.

概要:複数のレイヤで構成されたソフトウェアでは,レイヤ間に分散したプログラム要素が協調動作して一つの機能を実現するために,機能とプログラム要素群を対応づける作業である機能捜索が難しい.そこで,本論文では機能とレイヤ間に分散したプログラム要素群の対応関係を半自動的に抽出する機能捜索手法を提案する.提案手法ではレイヤごとの実行プロファイルを併合して形式概念分析への入力として用いることにより,異なるレイヤに属するプログラム要素を形式概念としてグループ化し,機能の集合と対応付ける.たとえば,提案手法をWeb アプリケーションに対して適用することにより,アプリケーション層に属するモジュールのみならず,プレゼンテーション層やデータ層に属するWeb ページやデータベースのテーブルアクセスといった要素を同時に機能に紐付けられる.Web アプリケーションの例題に提案手法を適用し,3 つのレイヤに分散したプログラム要素と機能の対応関係を抽出した事例を示すことにより,手法の実現可能性を示すとともに,現実的なプログラム理解の支援に向けた応用可能性について議論する.

著者:風戸広史,林晋平,大島剛志,小林隆志,夏川勝行,星野隆,佐伯元司
題目:多層システムに対する横断的な機能捜索
掲載雑誌:情報誌処理学会論文誌 Vol.58, No.4 (Apr 2017)