(日本語) [修士論文] 合成集約関係に着目した重要度伝搬によるコアオブジェクト特定

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2/4 に小林研M2の高木さんが修士論文の発表を行いました.

論文題目:合成集約関係に着目した重要度伝搬によるコアオブジェクト特定
論文概要:

オブジェクト指向システムのプログラム理解では,実行トレースを解析し,シーケンス図等でシステムの振る舞いを可視化するアプローチが有効である.また,実行トレースには膨大な情報が含まれているため,復元された巨大なシーケンス図を実用的なものにするための抽象化を行うことが必要である.しかし,既存の実行トレース抽象化手法においてシステムの振る舞いの重要な役割を担うオブジェクト ( コアオブジェクト ) を特定することが困難なオブジェクトが存在する.
本論文は,エスケープ解析とアクセス頻度を利用した既存のコアオブジェクト特定手法を拡張する手法を提案する.既存手法では特定することが困難である,設計パターンや構造に基づいてオブジェクトが分割されてアクセスが分散するケースに対応する.そのために,オブジェクトをノード,参照関係をエッジとするグラフ上で密接に関係するオブジェクトのグループを特定し,グループ内で子要素となるオブジェクトが持つアクセス頻度を,親ノードとして計算できるようにアクセス頻度を伝搬することで重要度を再構成する.グループの特定のために,オブジェクトのライフタイムの関係から判定される依存関係と,集合関係が成立するオブジェクト間の関係を定義した.更に,オブジェクト間の集合関係を特定し,参照元のオブジェクトと集合の要素が直接関連するようにエッジを導入する.
提案手法の有用性を評価するため,提案手法を複数の OSS に適用した.コアオブジェクト特定性能として,推薦される重要オブジェクトが,対象システムの設計を理解する上で重要なオブジェクトを網羅する割合を計測し既存手法と比較した.比較した結果,全てのコアオブジェクトを特定するために必要な最小の推薦数では 28.6% ,一つあたりのコアオブジェクト特定にかかる推薦数の平均に対して 36.2% ,既存手法に対して削減することができ,さらに子要素だけでなく孫要素以降の値も考慮して伝搬すると,前者では 36.5% ,後者では 31.9% ,削減された.総合的に評価して子孫要素まで考慮する伝搬方法が最もコアオブジェクトの特定精度が向上することを示した.